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家とは魂の容器

2011.12.09

今、ここに生きている、という此岸的な生に対する信仰は日常の具体性の中に投影されざるを得ない。具体性とは、不可避的に“物”との交わりを含むものだ。ワインを飲むことが、たんに滋養分を摂取することではなく、生の幻影を支える行為の一端であるならば、そこにはひそかな儀式性が潜在している。その場合、ワイングラスは、たんなる飲む道具ではなく、一つの聖具でもある。家は、このようにして日常の具体性にかかわる“物”の中で最大であり、また、さまざまの物に統括性と場を与える存在だ。

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ワイングラスがたんなる道具ではないように、家はたんに住む機械ではなく、魂の容器でもあるのだ。最初の比喩にもどれば、家という船は、自然の嵐と文明の荒波に耐えていくばかりではなく、神の死んだ後にひろがる虚無の海をよぎっていかなければならないのだ。