建物の耐震設計では、きわめて強い地震のときにも、倒壊だけはしないようにするというのが最大の目標です。倒壊してしまえば、人命を守ることがおぼつかなくなるからです。「倒壊さえしなければいい」ということは、少々なら壊れることを許容しています。つまり、建物がきわめて強い地震動をうけて「強さ」以上の応答になりそうになると、どこかが壊れてもいいとするわけです。鉄筋コンクリート造であれば、まず壁にひび割れが入るでしょう。
[参考]
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木造住宅でも、筋交い端部の接合部の釘がゆるんできます。しかし、それだけで建物がすぐ倒壊するわけではありません。壊れながらもがんばればいいのです。それが粘り(靭性)です。そこで、この粘りを考えた耐震設計について説明します。建物は地震時には左右に揺れているのですが、話をかんたんにするために、静止状態から地震力がだんだん増加していくとします。そのときの地震力(地震荷重、絶対値はばねによる抵抗力つまり復元力と同じ)と変形(傾き)の関係をグラフにしたものを、荷重−変形曲線あるいは復元力特性といいます。地震力(抵抗力)がある大きさに達するまでは、地震力と変形は比例します。グラフでは直線であらわされます。つまり、フックの法則が成り立っています。このような比例関係を、数学的には「線形」といいます。ゴムのように弾性的な材料は、相当大きな変形まで線形の挙動をしめします(厳密には、線形と弾性とは別の概念です)。