工事の結果である目的物が最終的に施主に帰属するのはもちろんで、請負契約はその事を一定の価格・期間の条件で約束するものである。それ以下でも以上でもない。けれども施主と施工者のこのような関係のもとでは、施主は生産の過程も、そこで働く資金や資材や労働までも、自己のためのものであり、自己のものだと思いやすい。施工者もまたそれを受入れる。なぜなら相手次第ではそれを受入れることによって、確実な得意先、つまり熱望してやまない安定した需要をつかむ事が出来るかもしれないし、不充分な経営の蓄積を補ってもらえる可能性も生まれるからである。
[参考]
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施主は工事資金を前貸しし、出来高に応じて中間払いをし、ときに工事資材を買い与え、施工手段さえも自己調達をする。施工者はこの場合労働さえ提供すればよく、その他に何の物的準備もいらない。これはいわば旦那と出入りの関係であり、対等双務的な関係とはちがったものである。