トイレの掃除が好きだという主婦などいない。自分や家族が使うから、しかたなく掃除しているだけである。それが1台ならがまんもできよう。しかし、自分が使いもしない男性用まで掃除する気にはならない。そんな奥さんのホンネを見落としてしまったからである。一方、ご主人にしてみれば、まさか奥さんがほんとうに掃除をしないとは思わなかったのだろう。汚れれば、それなりに掃除をしてくれるだろうと甘く考えていた。しかし。奥さんにも言い分があった。
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「いったいなぜ、こんなに汚れるのかと思うと、ますます掃除をする気がなくなった」と言うのである。たしかに、男性用小便器は洋式トイレとは汚れ方が違う。自分が使ったことがなければわからない。とにかくすぐに臭くなる。笑い話のようなエピソードだが、事実である。私はこの失敗でまたもや思い知らされた。「男の夢」の、なんとはかないことか。なんと愚かしいことか。なんと現実離れしていることか。しかし、現実離れした夢ばかり主張するというのもまた、家づくりに本気で参加していないことである。その結果、書斎が物置になったり、トイレに悪臭が満ちるくらいですむなら笑い話でいい。しかしときには、家族の生命に関わる大事故にもつながる。